本日の1本 ネズミゾンビ
ネズミゾンビ
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2008/10/08
- メディア: DVD
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マンハッタンの下街で、ネズミを媒介とする奇病が発生する。ネズミに噛まれたものは顔がネズミのようになり、人々を襲い始めた。封鎖されたマンハッタン島の中で、生き残った者たちは必死に抵抗を続けるが、、、というストーリーです。
と、こんなストーリーで「ネズミゾンビ」なんてタイトル、どんなクズ映画なんだろうと観てみたら、意外や意外、これが非常によくできた社会派ゾンビ映画でした。
映画の前半は、マンハッタンの古いアパートに住む人々の日常が延々と描かれます。そこにまぁマンハッタンを買い占めた企業とかが絡む後半への伏線もあるんですけど、基本はあくまでも登場人物たちの日常。
普通ならばダルイだけのシーンであるはずが全然そうではなくて、むしろ軽い緊張感を伴いながら登場人物たちの生活や性格が頭に入っていきます。
ニュースシーンなどから徐々にネズミウイルスの情報が登場人物に伝わっていくのも、見事に表現できてると思いますし。
それらが後半の怒涛の展開の前フリとしてお見事なんですよ。
その見事な表現手法を支えているのはカメラワークにつきます。画面の切り替わりがイチイチはまっていて、ウームとうならされました。
そしてそして、最高なのは登場人物のゾンビとの闘い方。
アパートに住む元ボクサーの男が、娘を救出するために出て行くのですが、出撃前に用意した武器は拳に巻いたバンテージテープのみ。
そう、元ボクサーの男は、己の拳のみでゾンビに立ち向かうのです。
銃で頭をボカーンと撃ち抜いたりするゾンビ映画お決まりのシーンは無くて、ただボコボコに殴ってゾンビを倒していきます。
その様子は、ホラー映画じゃなくて格闘アクション映画のようである。
しかもそれが迫力満点でカッコいいんですよ。
映像に予算をかけなくても、血飛沫があがるスプラッタシーンが無くても、こんなに素敵なゾンビ映画が成立するのかと、非常に関心した作品でした。
いやぁ、ゾンビ映画の森はまだまだ深いぞ!