本日の1枚 Salon Music

 Salon Music / My Girl Friday (LP)
 
 
 80年代に現れた、竹中仁見と吉田仁によるユニット。これは1983年にリリースされたファースト・アルバムです。
 当時、僕はニュー・ウェーヴな流れで聴いてたんですけど、いつの間にか元祖渋谷系みたいな扱いになって、でもそう言われればそんな風に思える楽曲ですね。
 
 その頃のデヴィッド・ボウイとかジャパンの仲間みたいな分類を自分の中でしてたんですけど、いやいや、確かにロマンティックさはそうなんですけど、洒落ていてちょっと捻じれたポップさとか、今聴くといろんな魅力を再発見しちゃいます。
 
 元祖渋谷系と言われるのは、フリッパーズ・ギターをプロデュースしたから、て理由だけじゃないのですな。
 特にオープニングの『Muscle Daughter』。呑気にヘボい疾走感はアノラックな雰囲気を感じます。音はディーヴォ系のテクノ・ポップさを残しているんですけど。切れのいい語感の歌詞もまた素敵なところ。
 
 トライバルなリズムにインチキ・トロピカルな音の『Din Of Love』、いかにも80'sらしいロマンティックなニュー・ウェーヴ・シンセ・ポップ『Hunting On Paris』、微妙なグネグネ感が心地良い『Water Shell』とか、いやいや面白い面白い。
 
 特にお気に入りはCMにも使われていた『Spending Silent Night』。軽やかリズムに歌声キュートなフレンチ・ポップしてる楽曲で、なるほどこりゃ渋谷系っぽいぞ。
 ちなみに当時は、ちょいと間抜けで小粋なキッチュさが素敵な『You Know What』が一番好きでした。ハイジ・ファンテイジーみたい!とか思ってたんですけどね。
 
 
 Spending Silent Night