本日の1本 ランボー 最後の戦場

 ランボー 最後の戦場

 
 タイの奥地で暮らすランボーのもとに、少数民族を支援する活動家たちが隣国ミャンマーへの移送を願い出る。死をも覚悟した彼らを送り届けたランボーだが、活動家たちはミャンマー軍に拘束される。彼らを救出するため傭兵5人と一緒にミャンマーに乗り込んだランボーは、、、というストーリーです。
 
 20年ぶりに姿を現したランボーの最新作。しかし、ストーリー展開はとんでもなくお粗末なモノです。
 ランボーがヒットした魅力は、やはりエンターテインメント性の高い戦闘アクション・シーンでしょう。特に1作目での、ショボイお手製の武器を駆使して先進&大人数の敵に立ち向かっていく様のスリリングさはカッコ良くてたまんなかった。
 しかし、今作では、そんなスリリングさが全く感じられません。
 普通の武器を手に、ただただ敵を殺害していきます。観ていてハラハラドキドキする瞬間が無いのです。
 ストーリーも全然感情移入できなくて、特に何の主張も無く中途半端に終わってしまいます。
 じゃあ、これが駄作かといえばそうではなくて、戦場の「リアル」さを実感する傑作だと思えるのです。
 
 女性や子供を平気で惨殺する敵軍。その残虐なシーンが生々しく描かれ、目を背けることはできません。
 そしてそんな敵軍も、ランボーの攻撃で身体を破壊され虐殺されていきます。そのグロいエグさから、にっくき敵軍がやっつけられても全然スッキリしないのです。
 ドラマ性を排し、ただ残酷なシーンが続けられる。
 還暦を越えたスタローンの、戦争への視線が明確にこめられた作品であると思います。映画的には全然面白くなくても、これを評価したい。
 
 人体破壊シーンが目白押しなので、ショック映画ファンには涎モノの作品でもあります。