本日の1枚 Isabelle Aubret
Isabelle Aubret / Isabelle Aubret (CD)
女優でもあるフレンチ・シンガー、イザベル・オーブレが1971年にリリースしたアルバム。
全半にはブラジル色の濃い楽曲がずらりと並び、そのレベルの高さから、フレンチ・ブラジリアン傑作とレコ屋で謳われるのも肯けます。
優美で洒落ていて、しかもグルーヴィさを湛えた素晴らしいアレンジを手掛けているのは、ゲンズブールの楽曲を支えていたことで知られるピアニストのアラン・ゴラゲール。
とりあえずまずはオープニングの『Casa Forte』の魅力に尽きます。コケティッシュだけど滑らかに転がる高速のスキャットのカッコいいこと! 控えめだけどグルーヴィな演奏と、いかにもフレンチ・ブラジリアンなアレンジも素敵。
しっとりとしたボッサ『Adieu Tritesse』(ジョビン)を挟み、マシュ・ケ・ナダのフレンチ・カヴァー『La Ville Est La』。ピアノを軸にした軽やかにファンキーな演奏を背景にしたヴォーカルは、フランス語での味わいが耳にこそばい。
仏語での黒いオルフェ『La Chanson D'orphee』の後は、歌声とコーラスがちょいとイエイエなテイストの『Pour Nous』。キュートな歌声とジャジーな演奏は、なんとなく同時代のフランス・ギャルとかを思い浮かべたり。
CD6曲目以降からはアナログのB面に入ります。アレンジは同様ですが、曲調はこれまでの流れとはガラリと変わり、普通にフレンチ・ポップになります。ま、普通にフランス歌謡らしい曲ばかりなんですけど、これはこれでまた素敵です。
特に『Parce Que』での、憂いを帯びたキュートな歌声が抜群。
あと、ジャケもすっごく素晴らしいですね。
La Ville Est La