本日の1枚 Kathe Green

 Kathe Green / Run The Length Of Your Wildness (CD)

Run the Length of Your Wildness

Run the Length of Your Wildness

 
 カリフォルニア出身の女優・モデルな人が、1969年にリリースしたアルバム。
 全13曲のうち10曲を彼女本人が作ったらしいのですけど、これがどれも素晴らしい作品ばかりで驚き。陰影を持ちながらも多幸感のあるメロディとか、只者ではないセンスを感じますね。
 張りがあってもコケティッシュな歌声も好し。
 
 フォーキーな曲もあり、ソフト・ロッキンな曲もあり、といったアルバムなんですけど、全体的にドリーミーながら躍動感のあるアレンジで統一されていて、いかにも60年代的な万華鏡のようなカラフルさを備えています。
 
 まず、白眉はやはりその名も『Bossa Nova』。全編ダヤダヤ・スキャットなボッサ・タッチのアコースティック・ポップで、木漏れ日な穏やかさがとにかく素敵。ヴァイブやストリングスなどのソフト・ロッキンな味付けも洒落てます。
 
 イケイケなリズムの力強いソフロ曲『Primrose Hill』、グルーヴィなベースが印象的な『Only A Fool』、美しい楽器の音色と凛とした歌声が英国フォーキーな『Why?』、インチキ臭いサイケ・ポップの『Tears In My Eyes』や『Promise Of Something New』、透明感がドリーミーに変化する『Once There Was You』とか、佳曲がいっぱい。
 
 ジャケはよく見るとなんかちょっと怖いぞ。