本日の1枚 Alicia May

 Alicia May / Skinny Dipping In The Flowers (CD)

スキニーディッピング・イン・ザ・フラワーズ

スキニーディッピング・イン・ザ・フラワーズ

 
 米国アリゾナ州出身の女性SSW、1976年に自主制作でリリースされた唯一のアルバム。VIVIDからの紙ジャケ再発です。
 アシッド・フォークの名盤として知られたレア盤らしいのですが、なんとなく英国トラッドなセンスを強く感じました。また、レコ屋の謳い文句にもあるようにジョニ・ミッチェル風でもあります。
 
 アコギやダルシマーの演奏に加え、ハープやヴァイオリン、チェロ、リコーダーなどの演奏がパステルカラーな彩を添えます。
 暗めの曲でスタートしますが、段々とご陽気な雰囲気に。牧歌的なほのぼの感が好いのですけど、前半の木漏れ日フォーキーな暖かさから後半の西海岸的な暖かさまで、実は微妙に受ける印象が変わっていきます。
 
 ジョニ・ミッチェルを引き合いに出される歌声は、凛とした力強さの中に繊細さと穏やかさが垣間見えます。英国フォーキーな曲では気品たっぷりに、ドリーミーな楽曲では円やかに穏やかに、これまた曲により微妙に受ける印象が変わっていきます。
 
 英国調な陰影に揺らめく歌声の浮遊感が素晴らしい『Summer Days』、ハンドクラップの躍動感が素敵なトラッド風の『Love Jig #1』、リコーダーの音色も素敵な『Forest Of Dreams』と、英国的な楽曲が続きます。
 
 ところが続く『Dearly Beloved』は、いきなりメロウ・ブリージンな楽曲。カリフォルニアの日差しを感じるサンシャイン・ポップで、穏やか&爽やかなグルーヴィさがもう素敵すぎ。文句なしのお気に入り曲です。
 
 その後はハッピーなカントリー・ポップ『Carry Me Home』が始まり、一気に米国にトリップしていきます。前半のほうが好みではあるものの、後半の多幸感も捨てがたい魅力があります。