本日の1枚 Savath & Savalas

 Savath & Savalas / Apropa't (CD)

Apropa’t [ボーナストラック収録・歌詞対訳・解説付き・国内盤] (BRC91)

Apropa’t [ボーナストラック収録・歌詞対訳・解説付き・国内盤] (BRC91)

 
 Prefuse73のスコット・ヘレンによる別ユニット。2004年リリースのセカンド・アルバム。
 実験性の高いヒップホップなPrefuse 73とは異なり、生音を基本に据えた所謂フォークトロニカ系のサウンド。女性ヴォーカルもフィーチャーして、結構ポップ度も高い。
 
 ミックスはジョン・マッケンタイアが担当し、ちょいとラウンジ系で温もりのあるアレンジに統一。ただ、オーガニックではあるもののそんなにジェントルではなく、ぼんやりと霧のようなサウンドスケープです。
 穏やかにドリーミーな音なんだけど、そのフワフワした心地良さが気がつくと悪夢に転じているかの如く、不気味な危うさも秘めているよう。
 
 スコット本人も女性ヴォーカルも歌声が儚げで、浮遊感のあるサウンドの中に頼りなく彷徨う姿は、エレクトロ・シューゲイザー的な味わいもあります。
 また、歌詞がスペイン語の所為なのか、独特な響きを放っています。
 
 どんよりと淀んだ空気の中を儚い歌声が虚ろに響く『Te Quiero Pero Por Otro Lado』、ちょいとエキゾなアブストラクト感の好い『Colores Sin Nombre』、日本的な寂寥感を感じる『Balcsn Sin Flores』、心の奥底に躍動感を呼び起こす『A La Nit』、静かなイントロからフワッと舞い上がる浮遊感が好い『Zltimo Tren』、儚い歌声が奇跡的なグルーヴ感を生み出す『Sol De Media Tarde』などなど、いや、なかなかの良盤だと思います。
 
 
 Zltimo Tren