本日の1枚 I Am Robot And Proud

 I Am Robot And Proud / Uphill City (CD)

Uphill City

Uphill City

 
 カナダ在住の中国人ショウハン・リエムによるエレクトロニカ・ポップなユニット。2008年にリリースされた4枚目のアルバム。
 「ロボット」と名乗るだけあり、どの曲もとにかくピコピコとした電子音で構成されています。
 ところが無機質さをあまり感じさせず、むしろ人肌の温もりが伝わるような音。全曲ともインストなのに「うたもの」な感触もある、なかなか素敵なポップ・センスです。
 
 所謂おもちゃ箱的にトイ・ポップな曲調で、どの曲もとってもキュートなんです。
 ピコピコした音も可愛らしいんですけど、ちょいとメランコリックでノスタルジックなメロディもまた可愛らしい。
 ただキュートなだけではなく、よく聴くと微細までいきとどいたアレンジの妙に感心します。電子音の配置が完璧に計算されているようで。
 1音1音の粒は実は実験的だったりするんだけど、トータルで聴くとただ柔らかに心地良いんですね。
 
 穏やかに心地良いだけのアルバムではあります。けれども、何度も繰り返し聴きたくなるその心地良さに、ポップ・サイドに立つエレクトロニカサウンド保有すべき普遍性を感じたりします。
 
 どことなくオリエンタル・テイストな冒頭の『Something To Write Home About』、フォーキーな感触と軽やかな電子音が心地良い『Melt』、ヒリヒリとした耳触りの『401 Circuit』、ポップに突き進む『Storm Of The Century』あたりがお気に入り。
 
 
 Something To Write Home About
 
 
 Song For Two Wheels