本日の1枚 800 Cherries

 800 Cherries / Romantico (CD)

ロマンティコ

ロマンティコ

 
 もう活動はしていないようですが、札幌の男女デュオが1998年にリリースしたセカンド・アルバム。
 この当時はステレオラブ・フォロワーなフワフワ系のインディ・ポップ・バンドが乱立していましたが、中でも傑出してると思ってて大好きだったのがこの北海道の宅録ユニット。というか、ステレオラブなんかも凌駕するレベルだと思ってますけど。
 
 ギター・ポップなサウンドを軸に据えて、柔らかな電子音やシンセの音色が配されていたり。ちょいと洒落たフレンチ・テクノなサウンドなんですが、時にシューゲイザー的であったり、ドリーミーで浮遊感いっぱいの音は夢見心地に心地良く響きます。
 楽曲も音色も素晴らしいのですが、何より好きなのは女性ヴォーカルのマルフジマナミのウィスパー・ヴォイス。掴もうとすると消えてしまいそうだけど存在感の強い、儚く美しい歌声。もちろんとってもキュートで、僕にとってはかなり理想的な歌声なんです。
 
 メランコリックな冒頭の『painty paint pots』、パリの街角風のキュートなフレンチ系ポップ『rainy poppy field』、薄いハッピーさと薄い躍動感が素敵な80's風ギター・ポップ『b.b.v.u』、ドリーミーな音に「トュルル〜」な歌声が胸キュンな『honeydew blue』、儚げな歌声の魅力が際立つ『frozen』とか、全くハズレなしのアルバムです。
 お気に入りなのは、マイブラ「ラヴレス」系な浮遊感いっぱいの耽美サウンドに儚い歌声がたまらない『through』と、脱力したフワフワ感がたまらないギター・ポップなサウンドにつたないウィスパー・ヴォイスがたまらない『la pa ti ta』。
 
 さっきAmazonで見たらマーケットプレイスで390円で売ってました。じゃあもう何枚か買っとこうか、と思ってしまう名盤です。