本日の1枚 Frances Mckee
Frances Mckee / Sunny Moon (CD)
- アーティスト: Frances Mckee
- 出版社/メーカー: Analogue Catalog UK
- 発売日: 2006/03/20
- メディア: CD
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元ヴァセリンズのフランシス・マッキーが2004年にリリースした初のソロ・アルバム。
なのでヘタウマ・キュートなヴォーカルのギター・ポップ、て勝手に想像してたんですけど、聴いてみたらこれが大違い。
まず歌声がすっかり成長していました。どことなく憂いを帯びた包容力のある歌声で、悲哀の果てに滲み出る優しさなんかが感じられます。
ま、でも、舌足らずなヴォーカルは相変わらずで、キュートなのはキュートなんですけどね。
そして肝心の音楽。轟音ギターな1曲目が過ぎ去ると、後はただフォーキーな楽曲が続きます。
優美なオーケストレーションがついたりはしてるものの、基本はいかにも英国らしい内省的なフォーク・ソング。陰鬱なんだけど、それでいてポップでもあります。ちょいとアシッドな感性もまた素敵です。
そんなアシッド・フォーキーな楽曲に前述の歌声が見事に映えていて、地味ながらなかなかの名盤であると思います。
まず冒頭の『The Kindness Of Strangers』は、轟音ギターが鳴り響くシューゲイザーな楽曲に、呟くような歌声が儚く美しい。
続く『The Country Song』は、シンプルながら密やかなサイケさが滲み出てて、アルバムでは一番のお気に入り曲。淡々と情念を吐き捨てる歌声は、やさぐれアストラッド・ジルベルトって感じで、とっても素敵なのです。
深い森に差し込む光のようなフォーキーさの『Silence Will Do』、焦燥感がグルーヴ感にもつながる『You Know Who I Am』、いかにも英国フォーキーな『Drink In The Sun』、耽美にノイズを奏でるギターに儚い歌声が素敵な『Wasted』とか、しんみりと聴きほれるアルバムですよ。