本日の１枚 Color Cassette

　Color Cassette / Forever Sparrow (CD)

Forever Sparrow

　
　Off The Sky の Jason Corder と、Abandon Buildings RecordsのオーナーでSet In Sandとしても活動する Matt Yarington による２人組ユニット。2009年にリリースされたファースト・アルバム。
　アコギやヴァイオリン、ピアノなどの楽器の音色にフィールド・レコーディングな音を散りばめたアコースティック・エレクトロニカな作品で、ヴォーカル入りの「うたもの」アルバムです。
　
　とにかく様々な音の断片が散りばめられているんですけど、あまり「切り貼り」感はなくって、優美に聴こえるよう配されているのはお見事ですね。１つ１つの音は結構エクスペリメンタルだったりしますが、全体としてはとても穏やかに聴こえます。
　そして、ヘナヘナした歌声のメランコリックさも相俟って、哀愁たっぷりのドリーミーなアルバムに完成されています。ドローン系になりきれない、そのへんが僕の好みであります。
　ぼんやりと虚ろな空間に、瞬間瞬間に何かが姿を現しては消えゆくような、心地良いけど薄ら恐ろしい夢見心地な気分を味わえます。
　
　お気に入りは『Little Yellow Light』。アコギのみのシンプルなトラックにジェントルな歌声が囁きかけるアシッド・フォーキーさが素晴らしい。口笛もいいね。
　タイトル曲の『Forever Sparrow』は、これでもかと詰め込まれるサンプリング音にも関わらず、オーガニックな肌触りが素敵です。
　
　
　Fable Cinder