本日の1枚 Perfume その3

 Perfume / トライアングル (CD)

トライアングル(初回限定盤)

トライアングル(初回限定盤)

 
 今、「ナゴム、ホラーライフ」て本を読んでるんですけど、その中で「初めての出会い」について書かれているエッセイがありました。
 その出会いの幸福さを語るとともに、最初の出会いを上回る衝撃を感じることはありえないと。(紹介されてる映画は「邪願霊」なんですけど・・・)
 読みながら頭の中では、ついついパフュームのことを考えてしまいました。
 
 さて、この3枚目のアルバム。
 カラフルにポップでかつハードにテクノな面も持ち合わせていた前作「GAME」に比べると、随分こじんまりとした印象を受けるアルバムです。そして初めての出会いであった「Complete Best」に比べると、衝撃度は遥かに下回っています。
 でも、アルバムとしての質の高さは、過去2作を上回るものだと思いますよ。確かに1曲1曲は地味めなんですけど、アルバム・トータルとして聴くと輝きを増すから不思議です。
 例えば、既発シングル曲『Dream Fighter』のポップ度が増して聴こえたり、『ワンルーム・ディスコ』のわざとらしいイントロが抑えられてるように聴こえたり。
 この配置の妙には恐れ入りました。曲と曲の流れも実にスムーズですし。
 
 シングル曲はすでにブログで取り上げてるので、アルバムで初めて聴いた曲の感想を。
 冒頭の『Take off』はまぁインスト曲ですが、ブリブリした音色にキュートな声が配されてるのがたまんないですね。わずか45秒ほどで終わってしまうのが惜しい。そして続く『love the world』への繋がりがとにかくお見事です、こりゃ参りました。
 『NIGHT FLIGHT』は、これでもかというばかりの怒涛のテクノ・ポップ。喜多郎みたいな、いや失礼、80年代初頭のYMOみたいなシンセ音のフレーズがたまんないですね
 『I still love U』は、モロに80'sエレ・ディスコなサウンドにベタベタな歌謡曲を合わせたような曲で、荻野目洋子とかを思い出しちゃいました。もちろん褒めてるんですけどね。
 
 で、このアルバムで一番お気に入りなのが『Zero Gravity』。ちょいとメロウ・ブラジリアンなテイストのクロスオーヴァー・ハウスで、僕がディープ・ハウスに求めていたもの全てが凝縮されているような音なのです。そこにパフュームの歌声が響くなんて、何たる幸せ。
 この1曲だけでも、僕にとってはまた新たな幸福な出会いがあったように思えます。初めての出会いを上回る喜びを感じることはできないでしょうが、こういう幸福な出会いを大切にしていきたいですね。