本日の1枚 Sketch Show

 Sketch Show / Audio Sponge (CD)

audio sponge

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 細野晴臣高橋幸宏の2人が結成したユニット。2002年のリリースしたファースト・アルバムで、坂本龍一も参加しています。
 最近の幸宏氏のソロ作品を聴くと、内容の質はさておき、微妙に時代からずれてる感を否めないのですけど、このアルバムを今聴いて思うことは、きっちりと当時のエレクトロニカ・シーンを体現しているということ。
 実験的な音の断片を散りばめたエレクトロニカサウンドながら、硬質なリズムがしっかりと支えていて、メロディはキャッチーだし、そして何よりもポップ!
 「うたもの」エレクトロニカはこうあるべき、て、時代に併走するおじさんたちの主張が聞こえてきそう。のほほんとしたリラクシンなサウンドの中に、厳しい視線を感じたりします。
 YMO世代ならグッとくる、懐かしのユーモア・センスもまた好し。
 
 冒頭の『Turn Turn』は、エレクトロニカサウンドながらいかにもYMO的なセンスの曲なんですけど、続く『Wonderful To Me』は、当時のマウス・オン・マーズやなんかに近いバキバキのエレクトロ・サウンドで、おっとこれは坂本龍一参加曲ですな。
 ブツ切りエレクトロニカな『Microtalk』の後には、うたものフォークトロニカな『Wilson』。タイトルどおりにブライアンなポップ・センス溢れる曲で、電子音にコーラスがまた心地良くって、このアルバムでは一番好きな曲であります。
 モロにエレクトロニカな『Supereme Secret』はまた坂本龍一参加曲、そして『Gokigen Ikaga 1.2.3.』はもちろんスネークマン・ショウのカヴァーです。もちろん、て書いたけどもう30年も前の曲かぁ。まんまなギャグ・センスが当時のファンにはたまりませんが、音自体はしっかりエレクトロニカ対応。
 タイトルどおりにジョージ・ハリスンなセンスの『Flying Gerge』の後は、サークルのカヴァー『Turn Down Day』。そしてまたブツ切りエレクトロニカな『Return』の後には、ラストとなる『Theme From A Summer Place』のカヴァー。誰でも知ってるイージーなあのメロディを、ゆるーいフニャフニャした電子音を背景に。こういうインチキ臭いモンドな感性にまた細野作品の魅力を感じます。
 
 
 Wonderful To Me (live)