本日の1枚 Mac Murrough

 Mac Murrough / Mac Murrough (CD)
 
 
 英国のフォーク/トラッドなグループ。1974年にIreland Polydorからリリースされたセカンド・アルバム。
 Kissing Spellからの再発CDですが、オリジナルは英国トラッド関係ではかなりのレア盤なんですって。
 プロデュースはアイリッシュ・フォーク界の名プロデューサー、ドーナル・ラニー。控えめな楽器のアレンジでコーラスの美しさを活かした楽曲は、どれもメロディも好くって、じっくり聴ける名曲揃い。
 モロにトラッドしてて、ものすごく地味なんですけどね。1つ1つの音も歌声も隙が無い、ある意味で完璧な曲構成に唸らされます。
 
 泣きのメロディがたまらない『Ta Na Baid』、田舎っぽい爽やかな美しさが清々しい『A Kiss In The Morning Early』、哀愁の陰影に覆われる『Deus Meus』、躍動感があっても地に足を捕われてるような『A Maid ho old Her Barley』とか、アイリッシュな哀愁センスがじんわりと響いてきます。ハッピー系な『A Pace Egging Song』もやっぱどこか物悲しい雰囲気がありますし。
 
 特にお気に入りは、アシッドなフィーリングに満ちた『The Poulshone Fisherman』。ちょいと東洋的にも聴こえる浮遊する楽器の音色と、いつの間にか打ち鳴らされるベースのリズム、ぼそぼそと呟くような男性ヴォーカル、徐々に高まりをみせる女性コーラスなんかが相俟って、呪術的なドリーミーさにとらわれてしまう逸品です。なぜかなんとなく、ヴェルベット・アンダーグランドの曲が思い浮かんだりしました、