本日の1枚 Prince & The Revolution

 Prince & The Revolution / Around the World In A Day (LP)

アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ(紙ジャケ SHM-CD)

アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ(紙ジャケ SHM-CD)

 
 プリンスの作品がドーンと紙ジャケ化されてるようですね。ちなみに僕がプリンスで一番好きなのは1985年にリリースされた7枚目のこのアルバム。
 僕は「1999」を聴いてプリンスのファンになったので、グラム・ロック色の強い「パープル・レイン」でガックリきたんですけど(その後に好きになりましたが)、この盤でまた殿下の底知れぬ魅力に惹きこまれましたね。
 
 「80年代のサージェント・ペパーズ」などと評されるように、カラフルな色調のサイケデリック・ポップな音楽性と、摩訶不思議感を醸し出しながらピースフルな「世界一周旅行」を表現したアルバム・トータルとしての物語性も持った盤であります。
 とても色鮮やかでポップな楽曲ばかりなんですけど、でもどこか「閉じた」世界観に強く感じます。ハッピーで官能的で、でも実は非常に内省的な志向がピリピリ伝わってくるんですね。
 その当時僕はまだ中学生で他にあんまりレコードを持ってなかったこともあるんだけど、「こんな音楽を聴いたことがない!」と感動して、何度も何度もこの盤をリピートしてました。おそらく僕の音楽趣味の原点の1つとなっているはず。
 
 オープニングの『Around the World In A Day』は、アラブ風のイントロと続く叫び声でもう参ってしまいますが、リズムや音程の微妙なズレから生じる、穏やかにグネグネした不安定さが素晴らしい。
 続く『Paisley Park』も、ズレから生じる浮遊感がくすぐったい。そのフワフワした心地良さとカラフルなポップさが素敵な逸品です
 大作『Condition Of The Heart』は、ピアノの音色などの美しいアレンジと、ヘナヘナと情けない歌声のへなちょこさが絶妙で、これまた大好きな曲です。
 
 最もポップ度の高いヒット曲『Raspberry Beret』はキュートさ、タイトルどおりにタンバリンと叩きまくってる『Tamborine』の間の抜けたファンキーさとか、アルバムの流れもまた素敵です。
 ちなみに昔も今も一番のお気に入りは『Pop Life』。思わず笑みがこぼれてしまう穏やかな泣きメロも好いですし、ふんわりした浮遊感あふれるカラフル・サイケ・ポップなアレンジも好い。
 
 オリジナルの趣向を凝らした見開きジャケは。紙ジャケ版では再現されるのかな。
 
 
 Raspberry Beret