本日の1枚 Mose Davis

 Mose Davis / The Coming Of Mose (CD)
 
 
 デトロイトのファンク・グループ、The Countsのリーダーでキーボード奏者の人が1978年にリリースしたソロ・アルバム。初CD化だそうです。
 と書きつつも実は The Counts と言われてもピンとこない。ではなぜ購入に至ったかというと、以前このアルバムがサバービア本に掲載されていたからです。
 
 いかにも70年代後半なライト・ファンク、ディスコなアルバムで、タイトなリズムによるファンキーさとエレピやオルガンの柔らかメロウな音色、適度にマイルドなアレンジが心地良い曲が続きます。
 本人の意志なのでしょうが、あくまでも鍵盤楽器を中心に据えた曲が多く、演奏のレベルの高さに裏打ちされる「確かさ」を感じます。インスト部分に惹かれる曲も多いのですよ。
 といいつつもファルセット・ヴォイスも結構お見事で、なかなか泣かせるメロディとも相俟って、じんわり聴ける「うた」もまた好いですね。
 
 クワイエット・グルーヴィな楽曲にファルセットが泣かせる『The Sweetest Love』、爽やか都会派ディスコの『Something About You』など、あんまり派手さはないけど聴きこめる佳曲が目白押し。
 目玉はなんといってもビートルズ『Come Together』のベース・ラインをパクった『Been Thinkin' Bout You』でしょうね。イントロで「ええっ!」と驚きますが、続く硬質なファンキーさとの微妙な相性もまた驚きの逸品。
 
 
 The Sweetest Love