本日の1本 サスペリア・テルザ
サスペリア・テルザ 最後の魔女
- 出版社/メーカー: ABSORD MUSIC JAPAN(K)(D)
- 発売日: 2009/09/09
- メディア: DVD
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ローマの博物館の研究生サラたちは、発掘品を調べるうちに邪悪な魔女の力を封印した遺物を開けてしまう。復活した魔女「涙の母」は、ローマの街を混沌に陥れる、、、というストーリーです。
「三度目の約束です。絶対にひとりで見ないでください・・・」
ダリオ・アルジェントの魔女3部作が30年を経てついに完結。もちろん、原案・脚本・監督全てをダリオがこなしています。
主演のサラ役には娘のアーシア・アルジェントを起用。魔女に1人で立ち向かわざるをえなくなる宿命のヒロインを見事に熱演しています。
ダリオ作品といえばまずはグロさとその映像美。
最初からもういきなりやってくれます。博物館で発掘品を調べる女性副館長を襲う黒い影は、彼女の腹をナイフで切り裂いて内臓を捻り出し、なんと腹からこぼれ出た腸で首を絞めて殺してしまいます。なんとも気持ちの悪いゴア・シーンですが、それでも美しさが溢れてるんですねぇ。
腸で首を絞められる人(左)、赤ちゃんでも容赦無し(右)
その映像美は1作目「サスペリア」なんかに比べるとかなり色合いが変わってしまってます。原色使いの派手さがなくなって、なんだかおとなしめ。
ちょっと物足りない感もありますが、それでもどんなにエロやグロな場面でも、どことなく気品を帯びた美しさを感じる映像はやはり素敵に思えます。
魔女の館の祝宴での退廃的なエログロ・シーンとか、よくありそうな場面でもちょっとした「違い」が素敵なんですよ。
背中にナイフを突き立てられる女性の尻の穴に花がささっていたりとかね(左)
それから本作では、とにかく娘アーシアを美しく撮ろうという気合いが入ってますね。どんなゴア・シーンでも、娘の魅力を引き立てるために活用されてるような。
でも、容赦なく蛆虫プールにブチ込んだりしてますけどね。
ヒロインが魔女たちに狙われる恐怖に震える序盤から、仲間たちが次々と殺害されいくうちにヒロインに勇気と力強さが芽生え、ラストで魔女に立ち向かっていくまで、スピーディなストーリーの展開は見事でした。
個々の事象をよくよく考えればあまりにご都合主義的であったり、ダリオ作品恒例のストーリー破綻があったりもしますけど、そんなことを感じさせないような息つく間もない展開が好いですね。
それにしてもラストはあまりにもあっけない。まぁ、そんなのもダリオ作品の魅力ではあるんですけどね。
巨乳も素敵な「涙の母」(左)、倒れてきた柱に貫通されてあえなく死亡(右)
残念だったのは音楽。当然(?)ゴブリンが担当していますが、あんまり印象的ではありませんでした。「サスペリア」のようなキャッチーな怖さのある音楽を期待しまうほうが悪いのかな。