本日の１枚 Jorge Dalto

　Jorge Dalto / Chevere (CD)

CHEVERE

　
　アルゼンチン出身のピアニスト、1976年にリリースしたブラジリアン・フュージョンなアルバム。
　ジョージ・ベンソンのバックで演奏してたことでも有名なようで、かの「Breezin'」にも参加したりしています。
　しっかりとグルーヴィな演奏のうえに、フレンチ・ブラジリアン的な洒落たアレンジが素敵な曲が続くのですが、まぁこの盤の最大の魅力はエレピの音色でしょうね。
　キラキラしたメロウさが眩く、そして心地良い。
　エレピ系メロウ・グルーヴ・ファンにはたまらない逸品ですが、ちょっとキラキラしすぎかな。個人的にはもう少し控えめなほうが好みではあります。
　
　しっかりしたグルーヴ感を支えているのは、ドラムで参加のバーナルド・パーディ。
　女性ヴォーカルは妻のアデラが勤め、これがまたキュートな歌声で、伊集加代子系のシャバダバなスキャットを聴かせたり。
　
　プニョーンとスペイシーにカヴァーした『Stella by Starlight』、エレピのキラキラ感が眩いしなやかなラテン・フュージョン『I Only Care For You』、スリリングにカヴァーした『Love For Sale』など、洒落た又はファンキーな中に現れる、ちょっと緩い感性もまた好いですね。転がるパーカッションもどれも心地良い。
　
　おそらくこの盤の目玉は、クワイエット・グルーヴィな『I've Got You On My Mind』でしょう。洒落たリゾート感あふれる都会派フュージョンですが、じんわり浸透してくるメロウ・グルーヴさが素晴らしい。
　で、僕の一番のお気に入りは、エレピ主体でメロウ・フローターな『Dolphin Dance』。ハービー・ハンコックの曲ですけど、心地良い浮遊感と上品な女性コーラスが素敵なのです。