本日の1枚 魔 デビルズ・オーメン

 魔 デビルズ・オーメン

魔 デビルズ・オーメン [DVD]

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 キックボクサーの陳雄は、ギャングの抗争に巻き込まれて殺されかけたところを、謎の僧侶に助けられる。その後、試合のためタイに出向いた陳雄は、現地の寺の高僧が前世の兄弟で、黒魔術師に呪いをかけられていることを知る。陳雄はその呪いを解くため黒魔術師と戦うことに、、、というストーリーです。
 
 香港の奇才、カイ・チーホン監督の作品。
 キック・ボクサーが黒魔術師と戦う、というストーリー設定からして参ってしまいますが、不必要なエロ・シーンや必要以上のグロ・シーンなど、次々と襲い来る想定外の演出にさらに参ってしまいます。
 
 まずは主人公の弟のキック・ボクシングの試合からスタート。これが必要以上に本格的な格闘で、そして必要以上に長い。
 でもこの映画を観る人の何割かはカンフー映画ファンでもあるでしょうから、これはこれでよいのです。だって、敵役はヤン・スエなんですよ。
 
 往年のGメン・ファンにもたまらない姿
 
 そして、突然ギャングの抗争シーンになったと思ったら、謎の坊さんが主人公を救出、帰宅した主人公は美女と性交を始める。と、観ているこちらは怒涛の展開に翻弄されてしまいます。
 その後、ヤン・スエを追ってタイに渡った主人公は、謎の高僧(前世の兄)の導きにより、黒魔術師と対決することになります。
 このあたりの展開もまた凄いですね。だって、いきなり見知らぬ坊さんに前世の因縁や黒魔術師との対決を語られて、すんなりそれを受け入れてしまうんですよ!
 しかも、黒魔術師との対決に備え、過酷な修行を始めてしまいます。こういうモロにカンフー映画な感性がたまりませんなぁ。
 
 ヒルに生き血を吸われる修行(!)
 
 そして、黒魔術師との対決。まだ中盤ですが、ここで黒魔術師が繰り出す技の酷さがこの映画の最大の見所ではなかろうか。
 とにかく必要以上にグロい技の数々。珍妙なクリーチャーや空飛ぶ生首など、特撮技術は低くとも、そのイカレた発想にすっかり魅了されること間違いなし。
  
 脳髄剥きだしの怪物と、自分の首を引きちぎって飛ばす必殺技
 
 対決後、帰国した主人公はいきなり女性と性交を開始。おいおい、仏僧の修行をした後も、エロ煩悩は全然おさまってないじゃないか。
 その後、ヤン・スエとの試合、復活した黒魔術師との対決など、後半も怒涛の展開が続いていきます。
 
 主人公の顔の上で踊って攻撃するセクシーな女魔術師
 
 なんか凄かった、としか言いようのない、「お腹いっぱい」感を味わえる大満足な作品なのです。
 こういう何をやりたいんだかよく分からないけどとにかく凄い、という作品を観てると、カイ・チーホンがよく石井輝夫と比較されることも頷けますね。