本日の1枚 Dave Mackay & Vicky Hamilton

 Dave Mackay & Vicky Hamilton / Dave Mackay & Vicky Hamilton (CD)

Dave Mackay & Vicky Hamilton

Dave Mackay & Vicky Hamilton

 
 盲目のピアニスト、デイヴ・マッカイと、ヴォーカリストのヴィッキー・ハミルトンによる男女ヴォーカルなアルバム。1969年のリリース。
 ジャケどおりに「木漏れ日」な雰囲気に満ちた、穏やかでほんのり暖かな、ブラジル寄りなサウンドが心地良い作品です。
 ジャズ・ヴォーカルなアルバムですが、アレンジはソフト・ロッキンであり、フレンチ・ブラジリアン的なラウンジ感やグルーヴィさもあり。
 ジャッキー&ロイやボビー&アイとかのソレ系の作品と同系列なんですけど、クオリティは負けないほど高い。
 ジェントルな2人の歌声も素晴らしいのですが、それを支える演奏技術がまた凄い。とんでもない転調を繰り返しながらも、それを意識させずむしろ耳に優しく馴染んでしまうサウンドは、聴き込むほどに驚きを感じます。
 
 冒頭は穏やかながら身軽に転調を繰り返すサンバ・ポップの『Now』。じんわり滲み出る多幸感が素晴らしく、このアルバムの幕開けに相応しい逸品。
 同タイプの『Jacque The Junkman』は、ちょいとサイケ・ポップ的なカラフルなファンキーさが素敵。
 サバービア系で人気の『Samba For Vicky』は、エレピもメロウなサンバ・ジャズを円やか&爽やかにアレンジし、そこにラウンジースキャットが舞います。フレンチ・ブラジリアン系な音なんだけど、あくまでもマイルドな耳ざわりが好いのです。
 
 『See You Lator』はしっとりとムーディーに味付け、『Jersey Bounce』はパーカッションが心地良いラテン・フレイヴァーで、とカヴァーも面白い。
 トイ・ポップなイントロからスウィンギンなジャズに変化する『Elephant Song』、なぜかスペイシーな『Moon Rider』と、とにかく捨て曲なしのアルバムですが、
 特にお気に入りは、グルーヴィな早口ヴォーカルにシタールをフィーチャーした『Blues For Hari』のカヴァーでした。
 
 
 Samba For Vicky