本日の1枚 Clare And The Reasons
Clare And The Reasons / Arrow (CD)
- アーティスト: Clare & The Reasons
- 出版社/メーカー: Frog Stand Records
- 発売日: 2009/10/20
- メディア: CD
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ジェフ・マルダーの娘とその夫による、オルタナティブ・チェンバー・ポップなユニット。と聞いてなぜだか敬遠していたのですが、このセカンド・アルバムを聴いて今まで手を出さなかったことを後悔しました。
日本盤CDの帯には、ヴァン・ダイク・パークスの言葉が寄せられています。
「メロディアスでミステリアス、それがバンドのエスプリ。夢世界の逃避行に、エレガントなアレンジに包まれた、エッジィな弦楽。」
どこまで本気の文書なのかは分からないけど、確かにヴァン・ダイクが好きそうな要素が詰まっているアルバムではあります。
微妙なドリーミーさとロマンティックさ、カラフルだけどボンヤリとどこか虚ろな色彩、メロディアスな楽曲から滲み出る洒落た実験性。
室内楽器だけではなく電子音も配しているから、という理由だけでなく、エレクトロニカ的な感性も非常に強く感じます。
カラフルでラヴリー、ほんわかと穏やかなサウンドなれど、どこか薄ら寒さを感じ、また焦燥感を掻き立てられるような感もあります。
そして、クレアの歌声の可憐さがまた素敵ですね。
キュートでスウィートなロリ声でありながら凛とした佇まいもあり、またフワフワとたゆたうような浮遊感も素晴らしい。
儚げな歌声の浮遊感が素敵な『Ooh You Hurt Me So』、箱庭的音楽感がキュートなチェンバー・ポップ『Our Team Is Grand』、
プニョプニョした電子音が響き続ける『You Got Me』、ジェネシスをモロに室内楽にカヴァーした『That's All』、
アブストラクト風味の『You Getting Me』、微妙なエキゾ感の『Kyoto Nights』、
アシッドなリズムがクセになる『Murder, They Want Murder』、なんとなく往年のシカゴ音響派を想起させる『Wake Up』、
どれも職人的に丁寧な作り込みがうかがえる良曲が並びますが、
一番のお気に入りは、可愛らしいフレンチ・エレ・ポップと溌剌とした室内楽が交錯する『Perdue A Paris』でした。
Wake Up (You Sleepy Head)
That's All