本日の1冊 親子という病

親子という病 (講談社現代新書)

親子という病 (講談社現代新書)

 3人の子をもつ親として読んでみた。
 J-POPで歌われる「親子愛」への懐疑について書かれた冒頭はとてもキャッチーだ。それでグッと興味を惹かれました。
 そしてそのまま最後まで一気読みしてしまったのは、内容の面白さではなく軽さのせいであろう。
 特に企業論理や政治目的による家族の強調とか、何でも世の右傾化に結び付けようとする論調はちょっとなぁ。
 三歳児神話を否定することに異議はないけど、家庭環境の人生への影響を「人生のスタートから何年かのこと」と言い切る文章は、とても2008年に出版されたものとは思えない。
 家族愛の強調は、むしろ行き詰った社会の閉塞感が生み出しているのではなかろうか。
 まぁでも、娘への愛情が過度にならないようにしなきゃ、とかちょっと思ったりはしました。早くもすっかり依存し合ってるバカ親子なのです。