本日の1枚 フラッシュバックあの人

 フラッシュバックあの人 / 摩天楼と、蜃気楼 (CD)

摩天楼と、蜃気楼

摩天楼と、蜃気楼

 
 テリー・アンド・フランシスコの福山輝彦と、フレネシ『キュプラ』を手掛けた山口洋輔の2人ユニット。
 なんとなく名前の語感からキワモノなイメージを勝手にもってんだけど、聴いてみたらまぁとんでもない誤解、とてもクオリティの高いアコースティック・メロウ・ソウルなアルバムでした。
 聴いてるこちらに1音1音へのこだわりが伝わってくるのですよ。楽曲の良し悪しよりも、まずは「職人」の仕事を強く感じますね。
 もちろん曲も好いし。アレンジの素晴らしさがどうしても印象深いですが、メロディ・センスも素晴らしい。売れ線の歌手が歌っても普通にヒットしそうなキャッチーさもあり。
 そして2人のハーモニーもいい味ですよ。
 
 とても気に入ったアルバムなので、あえて苦言を呈するなら、職人気質が出過ぎてるとこでしょうか。
 良質なポップ・ソングに必要な「要素」が曲よりも目立ちすぎ。どうもその「要素」の組み合わせで曲ができちゃってるような感があります。
 
 さて、まず冒頭の『Downtown』は、もちろんアノ曲のカヴァー。割とシンプルなメロウ・ダンサーに。アコギの音色なんかが気持ちいいな。
 ジャカジャカなアコギの心地良さでは、続く『恋する惑星』も素敵。爽やかな風が怒涛のように押し寄せます。
 あっさりした味わいの中にアジムス的な浮遊感もる『夜街チェイス』、煌きメロウ・フローターな『Shooting star』、
 小沢健二『さよならなんて云えないよ』の洒落たダンサーなカヴァー、ふにゃふにゃした浮遊感の『さざなみと影』、
 ラジオで聴きたい爽やかメロウさの『ただの女,きみを愛した』、柔らかなグルーヴがじんわり漂う『たまには、帰っておいでよ』、
 
 まぁ全曲ともクオリティの高いことといったら。
 中でも特にお気に入りは、アーバン・メロウな『シルクロードロマンス』。サビ部分のスウィートな音の輝きとこれまた甘いコーラスの交わりは鳥肌モノであります。
 
 
 恋する惑星
 
 
 shooting star