本日の1冊 世界奇食大全

世界奇食大全 (文春新書)

世界奇食大全 (文春新書)

 「世界」て冠されてるのに、ほとんど日本の食べ物ばっかり。しかも通販で取り寄せたりとか、食を求めるためにあんまり努力が感じられません。
 例えば小泉武夫のような食に対する真摯な姿勢がなく、また食文化への考察も底が浅い。
 巻末に参考文献がズラッと挙げられてますが、要するにカタログ本を見て、とりあえずなんか面白いものを食べてみよう、と歩んできたものの集大成にすぎない。
 けれども、あくまでも記号としての消費を繰り返しそこに甘んじる姿勢に、つい共感を覚えてしまうのでした。
 それにしても、ザリガニやサボテンが小学校の給食に供される地方があるとは。子供はいつも新文化への生贄なのである。