本日の1枚 Little Things

 V.A. / Little Things (CD)

LITTLE THINGS

LITTLE THINGS

 2008年にリリースされた、flauレーベルのコンピ。
 テーマは「ハンドメイドの小さな音楽」。そのとおりに箱庭的な世界観の小作品が並びます。
 ジャンルはまぁ様々なんですけど、基本的には生音エレクトロニカ、というかソフトなフォーキー・ポップが中心です。
 穏やかなアコースティックな響きを堪能できる曲が多く、春の訪れを感じるような季節に聴きたいアルバムであります。
 
 全17曲が収録されていますが、西山豊乃とF.S.Blumm以外は知らない名前ばかり。
 前述のとおり小作品ばかりなので、このアーティストの他の曲をもっと聴いてみたい、という強い衝動は湧き上がってきません。
 でもそれは曲がイマイチという訳ではなく、むしろその逆。アルバムとしての完成度が結構高く、その世界観をこのアルバムで十分に堪能できるからであります。
 
 暖色系のピアノのみを背景にけだるい歌声が素敵な『Happiness』(Rachael Dadd)、
 語の配し方で流麗な素晴らしいグルーヴ感を生み出している『World's End Fanfare』(西山豊乃)、
 ちょっと稚拙なロリ声がシンプルなアコースティック・サウンドに心地良く弾む『祝日』(PoPoyans)、
 トローンとした穏やかさから耽美なドリーミーさが滲み出る『Only Natural』(Part Timer)、
 内省的な佇まいがアシッド・フォーキーな『Shuffle Your Feet』(Marla Hansen)、
 ただただ心地良いフォークトロニカ系ウィスパー・ヴォイスな『Round In Fog』(Cokiyu
 無音の存在感により音の薄さを重さに転じる『The Poles』(Lori Scacco)、とかがお気に入りでした。(お気に入りばかりですが)