本日の1枚 Linda Perhacs

 Linda Perhacs / Parallelograms (CD)

Parallelograms

Parallelograms

 
 米国西海岸の女性SSW。フィメール・アシッド・フォーク名盤と名高い、1970年にリリースされたアルバム。
 僕が持ってるサンビームからの再発盤には、ボートラで別テイクやデモ音源、さらにインタビューなどが8曲収録されています。
 基本的に「夢見心地」系のアシッド・フォークなんですけど、微温湯な浮遊感と微細なサイケ感が素晴らしい。
 また、時に儚げに、時に力強い歌声も素敵で、ふわふわした曲調に漂う美しさと寂寥感がこれまた素晴らしい。
 「海」と「終末観」を強烈に感じるアルバムなので、僕はなんとなく「猿の惑星」のラスト・シーンが頭に浮かんでしまいます。
 
 まずもう冒頭『Chimacum Rain』でのコーラス・アレンジに参ります。アコギのアルペジオがたゆたう中で、儚げなコーラスが幾層にも織り重ねられる。
 ぼんやりとした光に包み込まれるような浮遊感、幻想的な美しさがたまらない逸品です。
 
 情けないファンキーさが素敵なサイケ・ポップ『Paper Mountain Man』や『Moons And Cattails』、
 美しいコーラスの多重録音センスが尋常でない『Call Of The River』、凛とした歌声が重ねられるの美しさが尋常でない『Parallelograms』など、
 
 良品ばかりの名盤ですが、特にお気に入りは前述の『Chimacum Rain』、『Sandy Toes』と『Dolphin』の3曲。
 『Sandy Toes』は、パーカッションとベース・ラインのループで生み出されるウネリ、ウネウネしたグルーヴ感が素敵。
 『Dolphin』は、アコギの響きが波のように押しては引いていく上に、美しい歌声が響き渡る曲で、月が輝く真夜中の浜辺で聴きたい曲であります。
 
 
 Chimacum Rain
 
 
 Parallelograms