本日の1冊 PLAY プレイ

PLAY  プレイ

PLAY プレイ

 「遊び」をテーマにした短編集。ミステリな仕掛けは用意されているものの、ホラーな味わいの作品ばかり。
 どのお話でも一貫して家族の破綻が描かれておりますが、現代社会の病理を描こうなんて意図は無さそうで、全体に漂うブラック・ユーモアな感性もあり、暗黒な結末にも関わらずかえって爽快な読後感を味わえます。
 特に、引きこもりな人たちの鬼ごっこを主題にした「黄昏時に鬼たちは」が秀逸。錯覚を利用したトリックも良いが、妙にリアルさを感じる作品でした。
 逆にイマイチだったのは「ゲームの終わり/始まり」。虚実が入り混じる展開は面白いのに、ラストがこんな安直なオチじゃねぇ・・・。