本日の1冊 闘うレヴィ=ストロース

新書498闘うレヴィ=ストロース (平凡社新書)

新書498闘うレヴィ=ストロース (平凡社新書)

 学生時代から「入門書」が嫌いでした。音楽でいえばベスト盤を聴くような感じでしょうか。
 概略をつかむうえでは有効でしょうが、その代わり著者、編者の偏向がそのまま植えつけられるおそれもありましょうし。
 とか思ってたんですが、アラフォー世代に突入した頃から、抵抗なく入門書に当たれるようになってきました。さすがにもう内容を鵜呑みにできなくなっちゃってますし、いい意味でも悪い意味でも。
 さて、レヴィ=ストロース死去という絶妙のタイミングで出版されたこの本。
 ちょうど氏の思想に再チャレンジしようと思ってたので、新書サイズの本書を手にしたんですけどね、どちらかというと、入門書ではなく伝記でありました。
 ただ、氏の人生を辿ることにより、その壮大な思想の変遷を垣間見ることができます。いや、むしろ中途半端な入門書よりも得るところは多いでしょう。
 著者のレヴィ=ストロースへの「好き好き」オーラが溢れてるのがまた好いのですよ。