本日の1枚 Joy Division

 Joy Division / Closer (CD)

クローサー【コレクターズ・エディション】

クローサー【コレクターズ・エディション】

 
 1980年の7月、イアン・カーティスの死後に発表されたセカンド・アルバム。
 ファーストではまだ「泣きのメロディ」などにポップな要素も少しは感じられたが、ここで展開されるのは漆黒の響きでしかない。
 イアン・カーティスのヴォーカルも、歌っているというよりは、呪詛を呟いているようにしか聴こえない。
 絶望の淵に立たされる恐怖を感じるとともに、同時にその苦痛が美しさに転化する感動を味わうことも感じる。
 まぁなんか聴いてると、どーでもいいわぁ、て妙な諦念に襲われるのです。
 
 冒頭の『Atrocity Exhibition』から、単調にどんどこ繰り返されるリズムのうえで淡々と言葉を紡ぐヴォーカルや散りばめられるノイズにより、聴き手は徐々に焦燥感をかきたてられていきます。
 『Isolation』なんかではシンセの煌めきが目立つものの、歌声が始まると一気に真っ暗に。
 単調に反復されるリズムの上でぼそぼそと呟く『Passover』や『A Means To An End』のスタイルがこのバンドの真骨頂でしょうか。
 『The Eternal』の途方もない暗さ、ラスト『Decades』でのゴシック的な暗さに暗雲たる気持ちになります。
 
 ちなみに僕が一番好きなのは、モロにパンクな衝動をグッと内に湛えた『Twenty Four Hours』。
 気だるいアーシーなベースの繰り返しから、感情の高ぶりが爆発するカタルシスがとても好き。でも歌声はあくまでも淡々としているけど。
 
 
 Atrocity Exhibition
 
 
 Twenty Four Hours