本日の１枚 坂本真綾

　坂本真綾 / Lucy (CD)

Lucy(ルーシー)

　
　2001年リリースのサード・アルバム。プロデュースは菅野よう子。
　名作と名高い「DIVE」から約２年後に発売されたものですが、その「DIVE」に比べるとかなりポップな志向が高い。
　アコースティックな音色が基本なのですがアップテンポなものが多く、とても耳に親しみやすい軽快さであります。そして彼女の歌声も透明感に溢れております。なんというか、とても普通にポップなんです。
　
　そして何より、ギターを抱えたジャケがとても素敵！
　
　まずは『Lucy』の美しいピアノの音色でスタートし、『マメシバ』の疾走感あふれるポップさが弾ける。
　『マメシバ』はギター・ポップな色彩の曲でありますが、メロウなギターなどからはリゾート系シティ・ポップ的な心地良さもあり、真綾作品の中でもポップさでは屈指の名曲であると思ってまして、まぁとても大好きなんです。
　清々しい伸びやかな歌声も女の子らしくって好いし。
　
　『アストロボの空』は、ジャカジャカなギターの響きにあわせ、フォーク・ロッキンなグルーヴィを湛えた歌唱も好い。
　『アルカロイド』は、なんかインド風なリズムで始まり、軽やかキュートなポップ作品へと展開していく冒頭の部分がなんとも素晴らしい。
　『紅茶』は、歌謡Ｒ＆Ｂな曲調ですが、そこはやはり菅野＆真綾な世界観に。
　
　『木登りと赤いスカート』は、タイトルがいいなぁ。そしてサビ部分でのまさかの微サイケな展開は何度聴いても参ります。アルバムでは一番のお気に入りなのでした。
　『Life is good』は軽やかロッキンな爽やかさが好いなぁ。なんとなく彼女の笑顔が浮かぶ歌声も好し。『Honey bunny』もキュートで小憎らしい女の子ロックでいいなぁ。
　『Ｔシャツ』は、長尺になるとやっぱ展開がプログレ寄りになるなぁ。壮大さが独特でいいんですけどね。
　
　細やかに美しさが光る『空気と星』を挟み、またポップ度の高い『Rule〜色褪せない日々』。忘れかけている良質な「普通の」ポップさがここにあります。　
　ラスト『私は丘の上から花瓶を投げる』の他の収録曲とは異質のポップさは、耽美なウネリに満ちています。外ではなく内に向かうポップさ。これは中盤以降の怒濤の展開が凄い。
　
　
　マメシバ