本日の1冊 賢者の贈り物

賢者の贈り物

賢者の贈り物

 昔話などをモチーフにした「日常の謎」系の短編集。
 携帯電話の修理をショップに依頼したら、修理期間の代替機として電子マネーが50,000円、5,000円ペイされた2台と何もない1台が提示される「金の携帯 銀の携帯」、自宅での合コンに3人の女性を呼んだら、誰か1人の女性が履き間違った靴を置いて帰ってしまった「ガラスの靴」など。
 収録されている10編とも、謎を抱えこんで推理(妄想)を展開し、苦悶する姿が描かれます。ほとんどの作品で探偵役となる人物が登場しますが、一緒になって妄想を繰り広げてる感があり、最終的な結論よりも、そこに辿り着くまでの過程の妄想がなかなか面白い。
 基本的にハッピーな結末に行きつくので、軽く読んで爽やかな読後感を味わうのはいいでしょう。