本日の1冊 午前零時のサンドリヨン

午前零時のサンドリヨン

午前零時のサンドリヨン

 女子高生マジシャンと彼女に恋する男の子が学校での謎を解決していく連作短編ミステリ。
 「日常の謎」系のお話ながら、むしろ青春小説な趣が強い。甘酸っぱいやつね。
 心を閉ざしたヒロインの内を巡る切ない葛藤、そして徐々に主人公に心を開いていく姿にキュンときます。
 著者の処女作らしいのですが、そうとは思えない丹念な描写の美しさもいいですね。
 巻末には鮎川哲也賞受賞時の選考者のコメントが掲載されていますが、これが非常に辛辣でなかなかに面白い。
 確かに、こんなこと買いときゃ読者はホロリとくるだろ、て内容ではあるわな。