本日の1冊 オルガニスト

オルガニスト

オルガニスト

 南米の教会に現れた無名のオルガン奏者の演奏を聴いた主人公は、事故後で半身不随となり失踪した天才オルガン奏者の友人の影を見出す。はたして彼はかつての友人なのか、と、ミステリ仕立てでストーリーは展開していきます。
 そして中盤以降は本当にミステリな展開になり、さらにラストはSF的に、、、
 第10回日本ファンタジーノベルズ大賞受賞作だそうですが、音楽に取りつかれた結果、神または悪魔の領域に踏み込んでいく天才音楽家の業の深さはなかなかに興味深い。
 また、オルガンに関する描写が素晴らしく、音楽小説としても一級ではないかと思います。