本日の1冊 写楽 閉じた国の幻

写楽 閉じた国の幻

写楽 閉じた国の幻

 ミステリー・タッチで写楽の正体を追いかける手法は、なかなかにワクワク感を味わえるし、ある種の知的好奇心をかき立てられる。
 僕は浮世絵などにまるで無知なので時代考証や論理構成等にどれだけ実証的なのかわからないけど、飛躍するストーリーには物語的な説得力が存していることは間違いない。
 残念なのは現代編のストーリー展開。伏線と思われた事件やなんやかやがウヤムヤのまま終わってしまい、結果として本書自体の印象としてスッキリしない読後感が残ってしまいます。