本日の1枚 Naomi & Goro

 Naomi & Goro / Bossa Nova Songbook 1 (CD)

Bossa Nova Songbook 1

Bossa Nova Songbook 1

 
kobbadiva: 本日のお題は、ナオミ&ゴローが2008年にリリースしたスタンダードなボサ・ノヴァ集。坂本龍一がピアノで参加しています。
kobbanova: この2人のアルバムの中ではこれが一番好きだな。とりあえずは1曲目、これまでの人生で聴いてきた数々の『三月の水』の中でも断トツに最高の逸品だと思う。これだけでもう後は何も要らない感じ。
kd: アコギを中心にしたシンプルな構成ですが、ウッドベースは結構グルーヴィですね。そして坂本龍一のピアノはとても優しく暖かい音色です。
kn: 優しく暖かでも、なぜか寒々しい雰囲気もある。そしてキュートだがどこか憂いを帯びた歌声も素晴らしい。ミニマルな心地良さも素敵で、この曲の魅力をここまで引き出した例は他に知らないと本気で思う。
kd: アコギの音色もとても柔らかで暖かいですね。
kn: けどなぜか不安感もかき立てられるよ、特にイントロとか。それがいつの間にか、ジョアン・ジルベルト・マナーな優しい紡ぎに変わってる。この繊細な質感のあり方が伊藤ゴローのギターの魅力だと思うなぁ。
kd: 『So Danco Samba』には清涼なフルートがフィーチャーされたり、洒落たジャジーなアレンジですね。
kn: でもどこか土着的なグルーヴ感も湛えている。
kd: 軽やかなサンバの『Jou Jou Balangandas』にも土着的なものを感じますね。
kn: 思い切りキュートに仕上げるという選択肢もあるだろうに。こういうアレンジのセンスに凄みを感じるんだよ。
kd: 『イパネマの娘』はベースが入る瞬間がめちゃくちゃカッコいいですね。
kn: これもイントロはなんか不穏な空気があるだろ。で、タメのカッコ良さでは『Desafinado』なんかもいいな。
kd: 『A Correnteza』は変則的なリズムと重厚な弦楽器のアレンジが印象的ですね。
kn: なんかプログレ的だな。何度聴いても、ついじっと聴き入ってしまうよ。
kd: ラストの『Eclipse』は、どよーんと重い空気を感じました。
kn: なんかこうiPodのヘッドフォンで聴いてても、音の振動が心臓まで響いてくるようだな。
kd: お気に入りはやはり『三月の水』ですか。
kn: うむ。でもまぁアルバムとしても大好きだよ。実はナオミ&ゴローで最初に聴いたのがこのアルバムで、その最初に聴いたときの衝撃が大きくて、上に書いたようにこの盤が一番好きなのだ。
 
 
 Aguas De Marco