本日の1冊 アナーキー・イン・ザ・JP

アナーキー・イン・ザ・JP

アナーキー・イン・ザ・JP

 イタコに頼んでシド・ヴィシャスを呼び出そうとしたパンク少年が大正のアナーキスト大杉栄に憑依されるという、なんともアクロバティクな展開のお話。
 妙に細かい描写と深みは無いが滲み出るパンク・スピリッツ。
 軽妙な語り口と馬鹿馬鹿しくも生真面目に飛躍する考察が面白い。
 そしてその蠢きの中に、サブカル世代がゼロ年代以降に襲われた違和感が詰まっているのだ。
 80年代の「言葉」が叩きつけられるラストの「うた」はバカっぽいが感動的でもあります。