本日の1枚 Salyu x Salyu

 Salyu x Salyu / S(o)un(d)beams (CD)

s(o)un(d)beams

s(o)un(d)beams

 
kobbadiva: 本日のお題は、コーネリアスがプロデュースしたサリューのアルバムです。
kobbanova: なんだか妙に評判の高いアルバムだよな。的外れな批判の多いアマゾンのカスタマーレビューとかだけでなく、信頼できる音楽ブログでも褒め褒めの記事が目立つ。これを褒めなきゃって無言の圧力を感じるよ。
kd: てことは、あんまり気に入ってないんですか。
kn: うーん、音はいいんだけどね。コーネリアスらしくもあって、らしくなくもあって。正直言うと、サリューの歌声があんまり好きじゃないんだよ。
kd: めちゃめちゃ上手いじゃないですか。単に上手いだけでなく、力強く透明感もあって、しかも曲によって優しさや可憐な表情を見せたり。こんな声量の歌い手さんは最近なかなかいなかったと思いますよ。
kn: でも好きじゃないもんは好きじゃないんだよ。例えば1曲目の『ただのともだち』なんか、「だ、だ」ってヴォイス・サンプリングだけでいきなりダメだわ。うまく言えないけど、声の張り方が俺の耳に馴染まないのだ。
kd: 『Sailing Days』や『心』などを聴くと、ビョークが引き合いに出されることがわかりますね。自分の声に対する意識を非常に明確に持ってると思いますが。
kn: でも『奴隷』なんか聴くと、歌声のリズムが強すぎてちょっと引いちゃうんだよ。エキゾなトライバルさはいいんだけどなぁ。どうでもいいけど、『歌いましょう』を聴いてるとリミックス出しまくってた頃の小泉今日子をなんとなく思い出しちゃったよ。
kd: 『Hostile To Me』はラリ・プナのカヴァーですね、すごいカヴァー・センス。
kn: この歌声の重ね方はいいな。柔らかい音に荘厳ともいえる重層コーラスが好い。柔らかさではラストの『続きを』もフニャフニャしてていいな。シティ・ポップ的なキラメキもあり、素敵なポップ・ソングだと思う。しかし、この曲は野宮真貴に歌って欲しかったと思ったりして。
kd: お気に入りの1曲を選ぶならどれでしょう?
kn: 重厚な歌声と電子音の優しい浮遊感が素敵な『S(o)un(d)beams』かな。テクノポップな展開もメロディもいいし、散りばめられる「声」も結構キュートだ。
kd: 気に入ってるじゃないですか。
kn: でも、この曲は嶺川貴子に歌って欲しかったなぁ・・・。
 
 
 ただのともだち