本日の1枚 Becky Ryan

 Becky Ryan / Becky Ryan (CD)

ベッキー・ライアン

ベッキー・ライアン

 
 カリフォルニアの女性SSW、1977年リリースのアルバム。
 レーベルは Blossom Records。なんと、フィフティ・フット・ホースのデヴィッド・ブロッサムのレーベルだとか。このアルバムの制作も彼が手掛けています。
 内容はまぁアコギの弾き語りが中心なんですけど、全体的にエコーがかかっていて、ぶよーんとした浮遊感に包まれています。
 初めて聴いたときは、音悪いなぁ、と思っちゃったほど。
 けれど、そのちょいと珍妙な味わいにこそ、フィフティ・フット・ホースと同様な魅力を感じるのですが。
 透き通った美しい歌声との相性も妙にいい感じだし。
 
 冒頭の『Pirate』から、とろーんとした、まどろみアシッド・フォーキーな雰囲気が溢れ出します。
 『Good-Bye』や『He Breathes The Sea』などからは、モノクロな陰影を感じます。このあたり、あんまりカリフォルニアな気がしないですね。
 『Steamin'』の緩い浜辺サウンドはまぁ西海岸風な気がしないでもない。
 
 お気に入りは2曲ありまして、まずは4曲目の『Summer Song』。ファニーなポップさ溢れるサウンドに、でも歌声は「真面目」で、その奇妙な相性が好し。
 そして、9曲目の『Song You Gave To Me』。歌のメロディよりも、バックで密やかに響いている音色が素晴らしい。後半の展開も含め、まるでシューゲイザー的な感性であります。