先週読んだ2冊

 「ふしぎなキリスト教

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

 橋爪大三郎大澤真幸が問答形式でキリスト教について解説。大澤氏が冒涜的に素朴な疑問をぶつけ、橋爪氏ができるだけ簡潔に回答していくスタイルで進んでいく。
 2人は社会学者であり、当然その視点も社会学者のものである。キリスト教者からすれば、この問答に多分に含まれる「誤り」は許し難いかもしれない。
 しかし、歯切れ良く解説を進める2人の問答がとにかく「面白い」。端的に言えば、話の上手いおっさん2人が飲み屋で雑談しているのを隣りで聞いているような感があるのだ。
 
 「ぼくのゾンビ・ライフ」
ぼくのゾンビ・ライフ

ぼくのゾンビ・ライフ

 ついに本当の意味でのゾンビ主観な物語であります。しかも内容も素晴らしい。
 この小説の中のゾンビは、腐りかけた身体はボロボロでも思考能力は生前のまま。ゾンビの公民権を求めて地道に活動する主人公は、仲間を奪われ続けついに、、、。
 前半な人畜無害だったゾンビたちが、徐々に様変わりしていく展開はなかなか素敵であります。まぁゾンビファンなら冒頭のシーンで予兆を感じるでしょうが。
 それまでの展開をブチ壊してしまうラストも、ゾンビ映画ファンなら納得でありましょう。
 何となくほのぼのとしてるようで、しかしゾンビが受ける差別的な仕打ちは強烈に生理的感を催し、人体破壊などのゴアな描写もふんだんにあり、まぁそのあたりもゾンビ映画ファンなら納得でありましょう。
 そして、泣かせるのです。ゾンビなのに。