本日の1枚 Carole King

 Carole King / Writer (CD)

Writer

Writer

 
 1970年にリリースされたソロ・デビュー作。実は持ってませんでした。
 全体の印象としては、繊細さと泥臭さ、そしてドリーミーさが耳に残ります。地味なアルバムですが、繰り返し聴きたくなるタイプで。
 冒頭の『Spaceship Races』では、いきなりファンキーでロックなギター・サウンド。こんなアルバムなのと思ったら、ハード寄りなのは1曲目だけでした。
 続く『No Easy Way Down』はゴスペル調だがカントリーっぽくもあって、なんかダニー・コーチマーのイメージな音でありました。
 
 ピアノ弾き語りでのバラード『Child Of Mine』。誰かのカヴァーでしか聴いたことなかったけど、シンプルかつメロウな彼女の歌はいいなぁ。
 そして、バーズのカヴァーなら聴いたことある『Goin' Back』は、小気味良いリズムにアコギ中心のシンプルな演奏がとっても心地良い。そっと寄り添うジェイムズ・テイラーの歌声も好いし。
 
 軽いウキウキなノリの『To Love』の次に、AOR的な都会感の『What Have You Got To Lose』。やや洒落た音ですが、どこか寂しげな雰囲気が素敵。しかしこれ、ベースがカッコいいな。
 転がるパーカッションも気持ちいい『I Can't Hear You No More』、ローラ・ニーロ版が好きだった『Up On The Roof』とか、まぁ地味めだけど佳曲が並んでますな。
 
 ところで、一番のお気に入りは『Raspberry Jam』。
 微妙にサイケ・ポップ寄りなアレンジで、アルバムでは1曲だけ異色というか、妙な存在感を放っています。
 ジャズ的な技法のダニー・コーチマーのギターも何かがヘンで、そして何よりキャロル・キングの歌声もサイケさを帯びています。
  
 
 Raspberry Jam