本日の1本 小人の饗宴
- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2010/09/24
- メディア: DVD
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ヴェルナー・ヘルツォーク28歳の時の作品。ヘルツォークのイメージを決定づけた怪作であります。
ストーリーを語るとすれば、上記のように小人たちが暴徒と化し、、、てことになるんですけど、しかしこの作品はストーリーでは決して言い表せない。
暴徒と言ってもヘラヘラ笑って騒いでるだけだし、グロテスクな又はショッキングな映像があるわけでもない。
車を乗り回したりとか、まぁ「おふざけ」レベルの騒ぎ方と言ってもよかろう。しかし、それを観続けて受ける印象は、どんな悲惨なストーリーを描いた映画よりも陰鬱なのであります。
観ている間も観終わった後も、とにかくイヤな気分になること間違いなし。
底知れぬ陰鬱さはどこから来るのであろうか。小人だから? モノクロ映像のマジックによるものか?
この答えとしてふさわしいのが以下の映像だ。
初めて一緒にベッドに入ろうとする小人カップル。しかし、男の小人が小さいからベッドに上ることができない。
雑誌を積んで踏み台にしてみようとしたり、コミカルな演出が続くのだが、これがもう笑うに笑えない。
動物を虐めたりとかの場面を延々と長回しで撮ってたりするのも、生理的嫌悪感を微妙に増大させていく手法としてとにかくお見事なのだ。「殺す」よりも遙かに気持ち悪い。
人間の醜悪さを描くことがヘルツォークの意図だとしても、そんなことを考えられないくらいにイヤな後味だけが残ってしまうのだ。
そうそう、微妙な雰囲気を静かに盛り立てる幻想的なシンセ音楽も素晴らしい。
ヘルツォーク作品といえば音楽はポポル・ブーですが、このときはまだデビュー前で、フローリアン・フリッケ個人名義がクレジットされております。