本日の1枚 Tryad
Tryad / ...If Only You Believe In Lovin' (CD)
…イフ・オンリー・ユー・ビリーヴ・イン・ラヴィン(生産限定紙ジャケット仕様)
- アーティスト: トライアド
- 出版社/メーカー: ヴィヴィド・サウンド
- 発売日: 2011/09/21
- メディア: CD
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米国フォーク・サイケのレア盤再発。NY出身の男2女1の3人組で、これは1972年に自主制作リリースされた盤らしい。
3人以外にもスティール・ギターやフルートなどでゲストが参加しているようで、意外にバラエティに富んだアルバムであります。
しかし基本はアシッド臭がプンプンで、そこから醸し出される微サイケな世界観が素敵。
演奏は結構オールド・タイミーだったりするんだけど、儚げな女性ヴォーカルはなんとなく英国的に思えます。
例えば冒頭の『I'm Wonderin' How I Ever Got That Way』なんか、ちょっとヘボめな演奏も含め、レイト80'sネオアコな感性であります。とても柔らかな音色もメロウで心地良く、もうこの1曲目から参っちゃいます。
悠然としたアシッド・フォーク『Columbia Tavern』の後に、ウキウキなカントリー調の『Uptown Suburb Alley』がくるのも好いなぁ。しかもこの曲、左右のチャンネルに男女ヴォーカルを振り分けているので、ヘッドフォンで聴いたらサイケ感が倍増したりします。
民族調なアコギの響きに、ぼそぼそと男女ヴォーカルが語りかける『Spider Song』では、ゾッとするようなアシッド感と寂寥感にグッときたり。
お気に入りは、男女ヴォーカルのアーシーさが抜きん出ているように思えた『Northern Journey』。サイケ・フォークな趣きですが、穏やかに伸び上がる起伏もとってもドリーミー。
しかし、一番いっちゃってるのはラストの『Eulogy/Raga』でしょう。タイトルどおりラーガ風でありながら、サイケなオルガンに尺八風なフルート、珍妙な女性コーラスが鳴り響く、まぁどサイケな色調の怪作であります。