本日の1枚 Dorothy Ashby

 Dorothy Ashby / Afro-Harping (LP)

Afro-Harping (Dig)

Afro-Harping (Dig)

 
 ハープ奏者ドロシー・アシュビーが1968年にリリースしたこの作品は、タイトルどおりにアフロ・トライバルなリズムが蠢くストレンジ・ジャズな逸品。
 冒頭の『Soul Vibrations』から、どんよりとしたグルーヴィさがドーンと重たい。アルバム全体を通じてなんですが、土着的なリズムが産み出すグルーヴ感はかなり重めなんだけど、そこにハープの優美な音色が響くとなんとも珍妙な、いやサイケな音絵巻が展開されるのです。微妙なストレンジ感は、アフリカというよりも南国モンドなサイケさを感じます。
 
 『Games』はちょいとボッサなリズムのパーカッションも素敵なジャズ・ファンクで、グルーヴィであると同時に美しい曲であります。
 同様に『Little Sunflower』なんかも美しいジャズ・ファンクで、さすがにハープ奏者らしい音作りという気がします。
 
 タイトル曲『Afro-Harping』のような重さと軽やかさを備えたレア・グルーヴィな曲もいいんだけど、やはりこの盤の真骨頂はストレンジな空気感でありましょう。
 『Lonely Girl』など、ちょっとイージーにモンドなサイケ感がたっぷり。フルートなども絡み、カッコいいんだけど珍妙な味わいが素敵すぎます。
 ラストの『The Look Of Love』は、トライバルなリズムの上を飛翔するハープやフルートが、確かにアフロに呪術的な世界観。混沌としてるようで収束に向かっていきます。
 
 
 Soul Vibrations