本日読んだ2冊
「蜩の声」
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 単行本
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (37件) を見る
主人公はたいてい家の中にいて、そこで思考が奔放に駆け回るうちに、季節感や周囲の環境と身体との境界がどんどん曖昧になっていく。
さらに、気がつけば現在と過去の記憶も曖昧になっていく。
その曖昧さを表出させるのは研ぎ澄まされた聴覚と嗅覚であり、特に匂いに対する感性の鋭さは凄まじく、そこから透明感のある官能が発せられる。
匂いの密度が濃さは文体に依るものであろうが、正直まぁちょっと読んでて疲れちゃいますな。
「文科系のためのヒップホップ入門」
- 作者: 長谷川町蔵,大和田俊之
- 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
- 発売日: 2011/10/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 9人 クリック: 121回
- この商品を含むブログ (76件) を見る
とりあえず、黎明期からヒップホップに付き合ってきた日本のロックファンが、ネイティブ・タンの衰退以降は離れていったという指摘に唸りました。あぁ、僕だけじゃなかったんだ。
ヒップホップを「音楽」ではなく「ゲーム」として捉え、「場」への志向という視点から分析する語り口に対して、大いに納得してしまいました。
というか、ヒップホップを聴きたくなってきたよ。