本日の1枚 THE BEATNIKS

 THE BEATNIKS / LAST TRAIN TO EXITOWN (CD)

LAST TRAIN TO EXITOWN

LAST TRAIN TO EXITOWN

  
 鈴木慶一高橋幸宏のユニット、ザ・ビートニクスが10年振りにリリースしたアルバム。ファースト「出口主義」からはもう30年経ってますが、まだ4枚目であります。
 前作の「M.R.I.」はゴチャ混ぜ感が強かったのですが(実は僕はそこがお気に入りでしたが)、新作も曲調はまぁバラエティに富んでますが、世界観はかなり統一されているように思えます。
 ジャケ写の2人からは枯れた大人の色気を感じますが、音もそんな感じであります。
 
 さて、冒頭の『A Song for 4 Beats』。1曲目はインストだろうと思って聴き始めたら、いきなり幸宏の歌声が。「老人と言われたら」なんて歌詞にキュンときちゃうし。また、歌詞にはビートニク詩人たちの名が登場します。おお、だってビートニクスなんだもんね。
 続く『Ghost of My Dream』は、心地良いエレクトロニカ・ポップ。PUPA的な浮遊感とメランコリックなメロディがモロに好みであります。
 
 トローンとしたギターのメロウさとドープな電子音も心地良い『Go and Go』、ファンキーなエレクトロ・ポップの『Camisa De Chino』、バンドサウンド系なテイストの『Around The Bends』と、やはり引き出しは多い。
 けれど、ポップさとアヴァンギャルドさを穏やかに物語る2人から、どの曲にも枯淡の境地を感じます。
 
 今回のカヴァーは、ラヴィン・スプーンフルの『Didn’t Want To Have To Do It』。そもそもの曲調もそして歌声も内省的ですが、どこかキュートな音で包み込まれています。寒い日に暖かな部屋で聴きたい、ジンとくる曲。
 
 
 A Song for 4 Beats