シングル発掘プロジェクト vol.1

 由紀さおり / 生きがい (7")
 
 
 『夜明けのスキャット』の大ヒットが1969年。これはその翌年の1970年に発表されたシングルで、オリコンで6位となるまで売れたそうです。
 作詞は山上路夫、作曲・編曲は渋谷毅
 別れた恋人を心に思い浮かべることを拠り所に生きる、という内容の歌詞なんだど、それが全く陰鬱に聴こえないサウンドが素晴らしい。
 バカラックを意識していると思われるアレンジは、とてもソフト・ロッキンなんです。リズムは軽くボッサ調で、爽やかなフルートの音色とかも好い。サビの前にフッとリズムがズレるとこなんかも凄いし。
 
 ソフトで暖かみのある音なんだけど、しかしなぜかどことなくヒンヤリとした感もある。これが前述の歌詞にハマってるんだなぁ。
 ちょいとあどけない由紀さおりの歌声も歌詞の世界観にピッタリだし、歌の合間の「語り」も好いよ。
 
 B面『ずっと前から』は、まぁいかにも昭和歌謡な曲でありますが、なぜかフレンチなテイストもあり。