昨夜読んだ2冊

 「奇面館の殺人」

奇面館の殺人 (講談社ノベルス)

奇面館の殺人 (講談社ノベルス)

 奇面館という屋敷に招待された6人の客が仮面を装着されて、というイベントにニンマリな作品ではありますが、その設定ほどに怪奇趣味的な内容に非ず、むしろ直球な本格派な筋書きでありました。
 館でバイトする女の子をワトソン役にする展開とか面白いなぁ。
 ミスリードがほぐされていく形でのラストの謎解きにはやっぱり唸らされたけど、読後感はちょっとあっさりしすぎな気も。
 
 「<世界史>の哲学 古代篇」
<世界史>の哲学 古代篇

<世界史>の哲学 古代篇

 特異でありながら普遍性を帯びることとなった近代への問いの解を、キリスト教を軸に追求。この古代篇では特にイエスの死を中心に据え、ソクラテスの死と比較したり、フーコーハイデガーレヴィナスなどの言葉を引用したりしつつ、「推理」を展開していく。
 そう、まるでミステリーを読んでるような「謎解き」の爽快さを感じながら読み進めてしまうのだ。歴史書でも思想書でもなく、ミステリーとして楽しむべきでありましょう。