本日の1枚 The Lively Ones

 The Lively Ones / The Lively Ones (CD)

Lively Ones

Lively Ones

 
 テキサス出身の4人組で、CCMなレーベルから1970年のリリース。カリフォルニアのサーフィン・バンドと同名ですが別グループですが、レコ屋の謳い文句ではカリフォルニア直系のソフト・ロックサウンドのように書かれていました。
 しかし、聴いてみてビックリ。確かにカート・ベッチャー的なアレンジ・センスなどが感じられるものの全然米国らしい雰囲気はなく、90年代以降のギター・ポップな感触でありました。
 とりあえず冒頭の『We've Something To Give You』を聴いた感触は、グラスゴーのスカ・バンド、アンフェタミーニーズみたいだなぁと。適度に控えめなハッピーさ、そして清楚な女性ヴォーカルも好い。その声で「パパーパー」とか歌っちゃってるし。男性ヴォーカルも弱々しくって好いなぁ。
 
 『Why, Oh Why』とか、ソフロ・テイストと言えばそうなんだけど、軽めというか甘過ぎないのが好いのです。穏やかな男女の掛け合いがたまらない。
 ファニーな語りが入ったりする『Nothing Really Changes』はちょいとグルーヴィでもあったり。この曲では「ナーナナー」なコーラスがまた。
 ブリブリとグルーヴィな『We Are One』や能天気にサンシャイン・ポップな『Follow That Star』とか、軽妙なウキウキ感が素敵だなぁ。
 
 などと、ジャケのようにキュートなカラフルさを楽しめる曲も好いのですが、お気に入りはぐっとフォーキーな『Walking Backwards Down The Stairs』。ラリー・ノーマンのカヴァーですが、再発盤には同名4曲が収録されております。
 アコギ中心のシンプルな演奏に、儚げだけど凛とした女性ヴォーカルがそっと響き渡る清廉なフォーキー・ポップで、深い「森」に淡い陽が差し込むような音楽であります。