本日の1本 猿の惑星:創世記

 アルツハイマーの新薬を開発するウィルは、実験台のチンパンジーの子供を連れ帰り、シーザーと名付けて自分の子供のように育てる。まるで人間の子供のような知性を発揮するシーザーであったが、事件を起こして施設に収容されてしまい、、、というストーリーです。
 
 今さらですが、観てみました。昔の「猿の惑星」シリーズが好きだったんで、かなり世界観に違和感を感じてしまいましたが、しかしまぁ面白かったよ。
 とにかく映像がカッコいい。猿がカッコいい。猿の表情が非常に素晴らしく、思わず猿側に感情移入してしまうのだ。
 
 しかし、残念なのは人間側のエゴがあまりに分かりやすく描かれてること。前述のとおり、猿側の視点で観ることを促すよう撮られているのですが、それがあからさますぎて、ちょっとしらけてしまう感も。
 オリジナルの「猿の惑星」って、ちょうど米国の公民権運動などが時代背景にあった頃に撮られていたので、人種差別のメタファーとして人と猿が描かれていたりしたのですが、そういった「深み」がないのです。
 動物養護施設での虐待シーンとか、欲深い製薬会社の社長とか、普遍性を引き出すに至らずにイヤな奴で終わっちゃってると思う。
 とか言いつつ冒頭に書いたように、とてもカッコ良くて面白い作品であることは間違いないと思うので、旧作とは別モノとして楽しんだからそれで良しと。