本日読んだ2冊

 「魔法飛行」

魔法飛行

魔法飛行

 エッセイ集「発光地帯」の続編。整理されずに呟かれる言葉、特に文末で混沌と羅列される言葉の煌めきが好い。
 もともとは食のエッセイだったはずだがほとんど食の話は出てこなくて、時々思い出したように語られる食の話はかなりお粗末だが美味しそうでもあります。
 
 「音楽の科学」
音楽の科学---音楽の何に魅せられるのか?

音楽の科学---音楽の何に魅せられるのか?

 なぜ音楽を聴くのか、音色をなぜ理解できるのか、とか、音楽にまつわる素朴な謎を徹底的に検証していく。
 そもそも僕は音楽に係る理論を全然解していないので、600ページ以上の理論本を読むことにちょっと構えていたんだけど、読んでみるとまるでミステリのように次々と思考法が展開していく様にワクワクしたのであります。どの話題でも、芸術論で語り始め、認知科学でオチをつけるパターンが多いのですけど。
 音楽は聴こえる音だけではなく、過去に聴いてきた音楽によって聴こえ方が変わるという、まぁ当たり前といえば当たり前の帰結にもいろいろと考えさせられたよ。